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支払督促を申し立てるにあたり、気を付けた方がよいことはありますか。

支払督促を申し立てるにあたり、気を付けた方がよいことはありますか。


 

支払督促は、債務者から異議を出されると、通常の訴訟に移行します。

そのため、債務者が異議を出すことが確実であるような事案(たとえば、買主である相手方が商品の品質について争っている事案など)では、支払督促を選択すると、債権回収までに逆に時間がかかってしまう可能性がありますので、初めから訴訟を選択するなど、ほかの手続を利用すべきでしょう。  

また、請求額が140万円を超える場合には、注意が必要です。

支払督促の利用には請求額の制限はないのですが、債務者から異議が出されて通常訴訟に移行した場合、請求額が140万円を超えていると、地方裁判所が管轄裁判所となります。

簡易裁判所においては許可代理人という制度があり、会社の社員によっても訴訟追行が可能ですが、地方裁判所では、会社の代表者や支配人等の限られた役職の者、または弁護士でなければ、訴訟代理人となることができません(民事訴訟法54条1項)。

したがって、請求額が140万円を超える場合には、通常訴訟に移行することを見越して、訴訟代理人となれる者がいるかを確認し、弁護士に頼むのであればコスト面も考慮する必要があります。