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個人事業主の破産において、事業継続が認められた事例

<事案>
依頼者:30代女性・個人事業主(飲食店経営)

<解決に至るまで>
 依頼者は、飲食店を営む個人事業主でした。事業の失敗等を理由として多額の借入金を抱えてしまい、当事務所に相談に来られた時には、破産手続の申し立てをせざるを得ない状況でしたが、依頼者は、破産後も事業を継続することを希望しており、また、現実的にも、借りている店舗を明け渡すためには、多額の原状回復費用が必要でした。

 そこで、当事務所では、破産手続の申立てに際し、店舗の明渡しには多額の原状回復費用がかかること、取引先や従業員に対する掛金等の未払い債務はないこと、事業事態に財産的価値はないこと、個人事業主と通常の会社員との間で運用を変える必要はないこと、各地の裁判所において個人事業主の事業を継続させる運用がなされていること等を主張し、依頼者の事業の継続を認めるよう求めました。
 さらに、債権者の方々の理解を得るため、事業継続の代償として一定の金額を財団に組み入れることを申し入れ、店舗内の動産を(売却先から借入れて使用する前提で)第三者に売却して得た対価や、店舗の敷金に相当する金額を、実際に財団に組み入れ、債権者に一部配当を行いました。

 その結果、破産管財人及び裁判所から、事業の継続を認められ、依頼者は、破産手続終了後も飲食店を続けることになりました。

<解決のポイント>
 当事務所では、依頼者の事業継続を認めてもらうために、破産手続申立前の段階から、現実的に店舗の明渡しが困難なことを示すために、業者に依頼して店舗の明渡し費用の見積りを取ったり、今後借入れをすることなく事業を継続していくことが可能であることを示すために、取引先との取引は全て現金払いに、従業員に対する賃金の支払は全て日払いにしてもらったりするなどのアドバイスを行いました。

 また、破産手続申立後も、破産管財人の調査に協力し、一定の金額の財団組み入れにも応じたことにより、最終的に、事業の継続を認めてもらうことができました。

 個人事業主が破産手続を申し立てる場合、事業は辞めざるを得ないと諦めがちですが、ケースによっては、破産手続申立後も事業継続できる可能性があることを示した事例といえるでしょう。

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