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就業規則を変更して基本給や手当の額を減らすときに気を付ける点

当社では、近年業績が悪化していることから、経費削減のために、就業規則を変更して、基本給や手当の額を減らすことなどを考えています。変更をするに当たっては、どのような点を考慮すれば良いのでしょうか。

 労働契約は、使用者と労働者の合意により成立するものですので、労働者の同意を得なければ、労働条件を労働者にとって不利益に変更することはできないのが原則です(労働契約法8条)。

 もっとも、就業規則の変更によって労働条件を変更する場合には、その変更が合理的なものであれば、これを労働者に周知させることにより、労働条件を労働者の不利益に変更することができるものとされています(同法10条)。

 そして、就業規則の変更の合理性の有無は、①労働者の受ける不利益の程度、②労働条件の変更の必要性、③変更後の就業規則の内容の相当性、④労働組合等との交渉の状況などが判断要素とされています。

 会社の経営状況が逼迫した状況にあり、その一方で賃金の減額の幅がそれほど大きくなく、労働者の多数が加入する労働組合の同意が得られるといった事情であれば、合理性が認められやすいでしょうし、逆に、今後業績は回復する見込みがあるのにもかかわらず、賃金の減額幅が大きく、代償措置も取られていないといった事情であれば、合理性は認められにくいでしょう。  

 なお、使用者と個別に、就業規則より有利な内容の労働条件の合意をしている労働者がいる場合、就業規則の変更によって、かかる労働者の労働条件を変更することはできないので、注意が必要です。
 
 個別の合意は、原則として就業規則や労働協約より優先されるものとされているのです。