労働組合からの組合結成通知、団体交渉要求書などの通知を受け取った経営者の方へ
労働組合からの通知書を受け取った経営者の皆さまの多くは、大変困惑し、また、ストレスを感じられることでしょう。
一方で、労働組合の結成や団体交渉は、労働者に認められた権利であり、上手く機能すれば、使用者、労働者双方にとって、メリットのある仕組みといえます。また、生じている問題について、建設的な議論ができるのであれば、より良い会社経営への一助とすることもできます。
他方で、労働組合が、会社内で結成された場合、労働組合を立ち上げた労働者側は、事前に労働組合の権利や、交渉のノウハウについて必死に勉強し、理論武装した上で、通知書を作成、送付していることが多いといえます。
外部の労働組合に、会社の労働者が加入して、会社外の労働組合から団体交渉を要求する通知がなされる場合(突然通知書をもって、会社を訪問してくることもあります。)、経営者は、労働基準法をはじめとした労働法制を習熟し、団体交渉にも手馴れている労働組合の担当者を相手にする必要があります。
このような労働組合と、使用者側が対等に団体交渉を行い、公正妥当な合意を形成するためには、少なくとも不当労働行為とされるケースの限界をよく理解し、労働法制についても理解をした上で、対応する必要があります。会社内に法務部があればともかく、そうでないケースでは、常に十分な知識とノウハウを使用者側が有しているとは言えないでしょう。知識やノウハウもないまま、言われるままに団体交渉に突入すると、交渉のペースを握られ、使用者側としての言い分を十分に反映できないまま、一方的な合意を迫られるリスクを十分に認識する必要があります。
労働組合からの通知を受け取った経営者としては、交渉により、問題の解決が図られるというメリットも考えた上で不必要に慌て、狼狽する必要はありません。双方が対等な立場で、充実した団体交渉を行うためには、十分な知識と理解と準備を行った上で、対応する必要がある、ということが言えるでしょう。
もう少し具体的に考えてみましょう。たとえば冒頭のケース、実際に労働組合から結成通知書が届いたケースを想定してみましょう。通知書には、労働組合が結成されたと記載されており、3日以内に団体交渉を実施するように要請されていたとします。このような場合、準備を行う十分な時間が取れない中で、団体交渉に応じなければならないのか、あるいはそもそもこの一方的に指定された期間の指定に応じないと、不当労働行為とされてしまうのか、経験のない経営者の皆さまには、判断が難しい場合が多いのが実情かと思います。
このような場合、労働組合との団体交渉へ対応した経験のある顧問弁護士がいれば、すぐに顧問弁護士に相談して初動対応の助言を求めるべきでしょう。もしも、継続的に関係を構築している顧問弁護士がいなければ、社会保険労務士の先生や、税理士の先生など、弁護士と繋がりのある専門家の先生に、労働組合との対応経験のある弁護士を紹介してもらえないか、相談していただくのもよろしいかと思います。
また、このメッセージをお読みいただき、江原総合法律事務所に興味をお持ちいただけた場合、一度ご相談のお電話をいただければ、当事務所が実際に対応した労働組合との団体交渉の経験も踏まえ、誠意をもって対応させていただきます。