フランチャイズ経営について弁護士が解説
Contents
フランチャイズ経営
- 加盟金を払ったのに何もしてくれない
- 実際に開業してみると最初の説明とは全然違う
- 本部ばかり儲かって、加盟店が全然儲からない仕組みになっている
- フランチャイズを撤退して自前でやりたいが、違約金が高くて踏み出せない
フランチャイズ本部と加盟店は常に上記のような問題を抱えていることが多いのです。本部の債務不履行を立証して、フランチャイジーを救済できる場合があります。お悩みの方は、弁護士にご相談下さい。
1. フランチャイズ契約のトラブル
フランチャイズ契約のトラブルはなぜ起こるのか、「フランチャイズ契約」の定義を踏まえ、契約の性質を知っておく必要があります。
フランチャイズチェーンは19世紀のアメリカが発祥となり、現在では日本においても一つのビジネスモデルとして地位を確立しています。
コンビニから飲食チェーン、ドラッグストアまで、製造業・流通業・サービス業という広い分野にわたって社会に普及するに至っています。
フランチャイズシステムは、中小・零細企業や個人が大手フランチャイザーの事業に加わることができるという事業参入機会の増大という利点や、流通の合理化・全国一律に同質のサービスを消費者に提供するというメリットがあります。
フランチャイズのトラブル例
一方、フランチャイズには、以下のようなトラブルがあることも事実です。
- 根拠のない売上予測を提示し、フランチャイズに加盟させる詐欺的行為
- フランチャイズ本部が実際のノウハウ等を備えておらず、利益追求のみを目的とした悪貿な本部の出現
- フランチャイズ契約自体が著しく加盟店に不平等な内容であるにもかかわらず、違約金が高額となり契約から離脱できないケース
特に、フランチャイズに加盟する際は必ず契約書を交わすのですが、これはフランチャイズ本部が作成する定型的契約書ですから、ほとんどが作成者である本部に有利な契約内容となっています。
その結果、加盟店は、当該フランチャイズ契約の内容を受け入れるか否かの選択権が与えられているに過ぎません。
法律による解決法ですから、フランチャイズ契約でトラブルになった場合、ほぼ例外なく加盟店が不利な状況に置かれています。本部が自己の優越的な地位を濫用して、加盟店が一方的に搾取されている事案もあるようです。
そのような場合、「法律」が加盟店にとってより良い解決の糸口となる場合があります。
フランチャイズ契約は複雑であり、かつ一つの法律分野を形成しています。 フランチャイズ法律問題にお困りでしたら、お気軽に弁護士にご相談ください。
2. 売上予測について
事前の売上予測より、実際の売上が上がらなかったという方。損害賠償請求によって、賠償金を受け取れることがあります。
売上予測について実際に開業してみると、フランチャイズ本部が提供した売上予測と全然違った・・このような場合、売上予測義務連反を理由に、損害賠償請求ができるか?というご質問をよく頂きます。
フランチャイズ事業を始める際に、本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー希望者)に対し、“売上予測(損益予想)“といった情報を提供する場合が多いと言えます。
しかし、本部が提供した情報を信頼してフランチャイズ契約を締結し、実際に開業してみると、事前の予測とは異なり全く売上が上がらなかったという事態に陥ることがあります。
損害賠償請求の是非について
多額の開業資金を投入してフランチャイズ事業を始めたのに、本部の事前の売上予測と全然違う場合、フランチャイジーは本部に対し損害賠償請求ができるのでしょうか?
これまでの裁判例では、「情報やその根拠に客観性・正確性がなく杜撰だった場合」、情報提供義務違反に基づき損害賠償請求を認める傾向にあります。
本部はフランチャイジーと異なり多数の経験・ノウハウを持っていますから、きちんとした根拠に基づき、フランチャイジーに情報を提供しなければならない、ということです。
但し、本部の事前の売上予測(損益予想)と実際の損益との間に差異があったとしても、原則は一種の事業リスクとして、加盟店が負担すべきだと判断される場合もありますから、損害賠償請求が認められるか否かは、実際の事実関係・証拠関係に基づく具体的な法律的判断となります。
3. フランチャイズ契約の終了と違約金
フランチャイジーが契約を終了させたいと考えても、契約の内容上、契約の終了が制限されていたり、高額の違約金が発生するケースは少なくありません。
どのような場合にフランチャイズ契約を解除できるのか、また、契約を解除した場合にどうなるのかは、具体的な事情や契約内容によって違ってきます。
フランチャイズ契約は、「継続的契約関係」と呼ばれ、売買契約や請負契約のように1回限りの権利義務を発生させるだけの契約とは異なって、義務の履行や権利の行使が契約の存続する間ずっと継続する性質を有することになります。
従って、フランチャイズ契約には通常、有効期間や解約事由、つまり契約の「始まり」と「終わり」についての定めがあります。
フランチャイズ契約の際に契約書が交わされますが、この契約書は本部が作成した定型的書面です。
従って、契約の終了に関しても、本部に有利な内容になっていることが少なくありません。
そのため、加盟店が契約を終了させたいと考えても、契約の内容上契約の終了が制限されていたり、高額の違約金が発生するケースが少なくありません。
しかし、本部側に債務不履行があった場合などは、加盟店は契約の内容いかんにかかわらず、法定解除権の行使(債務不履行による解除)として契約の終了を主張できる場合があります(一方的にフランチャイズ契約を解除できます)。
フランチャイズ契約を終了するにあたって
どのような場合にフランチャイズ契約を解除できるか、また、フランチャイズ契約を解除した場合にどのような法律効果が発生するかということは、具体的な事情や契約内容によって違ってきます。
加盟店が途中でフランチャイズ契約を解消しようとしたところ、本部から多額の違約金を請求されてフランチャイズ契約の終了自体ができないのではという事例の場合でも、本部側の債務不履行の有無を立証し、法定解除権の行使として違約金の支払い拒否ができる場合があります。
フランチャイズ契約でお悩みの方は事前に法律の専門家である弁護士にご相談することをお勧めします。