賃金交渉
経営不振などが理由で、従業員の賃金の減額の決断を検討されている企業様は、ご決断の前に弁護士へご相談いただくことをお勧めします。
基本的には、会社が勝手に従業員の基本給や諸手当の額を減らすことは許されません。賃金は労働契約における重要な労働条件です。
賃金減額の対応方法として、
- 個々の労働者との合意
- 人事考課に基づく減額査定、降格
- 人事権に基づく配置転換に伴う減給
- 就業規則による賃金制度の変更や変更解約告知
- 懲戒処分としての減給、降格
合理的な理由で賃金減額を実施することがポイント
従業員が合意さえしていれば、賃下げはできると考えられている経営者の方は多いと思われます。
しかし、賃金の減額という不利益を、従業員が自ら甘受するのは、特別な事情がある場合です。
そのため、既発生の賃金の放棄についてはもちろんのこと、将来の賃金の減額に関する同意についても、それが従業員の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することが必要です。
合理的な理由とは、
- 賃下げを変更する必要性
- 労働者の受ける不利益の程度
- 労働者との話し合い・交渉の経緯、状況
- 賃下げを避けるためにした実施した行為
- などの点が含まれている場合です。
弁護士が介入すると、経営者に代わって合意的な理由や従業員への合意をとる手段を代わって実施することが出来ます。