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知的財産に関するご質問1 特許を取るための要件は?

特許を取るための要件とは?


 

<事案>
 青年実業家のB君は、ある日ものすごいアイディアを思いつき、特許を取って大儲けできるのではないかと考えました。
 しかし実際どんな発明なら特許を取れるのか良く分からず不安になったので、大学時代の同期で現在弁護士をやっているBさんに聞いてみました。

<Bさんの回答>
Bさん: A君ひさしぶり。突然特許を取りたいなんて、あなたは相変わらずアグレッシブね。
Aくん: Bさん、呼び出してごめん。今日は特許について教えてほしいんだ。
Bさん: いいわよ。特許というと何かものすごい発明をしないと特許を取れないんじゃないかって
    気がするけど、実は特許を取るのはそんなに難しいことじゃないわ。
a     あなたの家にある穴あき包丁もおろし金だって特許製品だったりするんだから。
    美味しいパンを焼く方法なんていう特許もあるのよ。
    特許を身近に感じてちょっと面白いわね。
    新しいアイディアならなんだって、特許を取れる可能性があるんだよ。
Aくん: じゃあ僕の発明も特許がとれるんだね。
Bさん: 本当になんだって取れるわけじゃないわ。特許を取るには要件があります。  それは
         ①発明であること
         ②産業上の利用可能性があること  
         ③新規性があること
         ④進歩性があること
      の四つよ。
      これに当たれば特許が取得できるわ。分かったかしら?
Aくん: 全然分からないな。それだけ言われてもイメージができない。
Bさん: そうね、法律を勉強してない人には難しかったかもしれないわね。
    じゃあ、次回から一つずつ説明していきましょうか。

知的財産に関するご質問2 発明とは何か?

発明とは何か?


 

<事案>
 青年実業家のAくんは特許について大学同期で現在弁護士のBさんに話を聞きました。Bさんから特許要件について説明されましたが意味が分かりませんでした。
 そんなAくんとBさんの会話の続きです。

Aくん: さっきから発明とはいうけど・・・実際何を発明っていうのか良く分からないな。
Bさん: 発明には二種類あって、「物の発明」と「方法の発明」があるの。
    一般に発明と言って想像されるのは物の発明よね。
    前回の例でいえば穴あき包丁とおろし金。
    でもね、物の以外にも物を生産する方法や、単純に何かをする方法っていう、
    方法の発明もあるのよ。
    美味しいパンを焼く方法は「方法の発明」ね。
Aくん: へぇ、発明って物だけじゃなかったんだ。
    じゃあ、何かの物や方法を思いついたら、それって全部発明になるの?
Bさん: まさか。誰かの思い付きが、法律上なんでも発明と認められるわけじゃないの。
     法律上発明と認められるためには要件があって、
      ①自然法則を利用していること
      ②技術的思想であること
      ③創作であること
      ④高度のものであること
     この要件を満たしてはじめて発明になるのよ。
Aくん: また良く分からない言葉がならんでるな。
Bさん: 大丈夫、イメージしにくい部分だし、ちゃんと説明してあげる。

知的財産に関するご質問3 発明の要件~自然法則の利用、技術的思想、創作性、高度性とは何か?

発明の要件である「自然法則の利用」「技術的思想」「創作性」「高度性」とは何か?


 

<事案>  
 青年実業家のAくんは特許について大学同期で現在弁護士のBさんに話を聞きました。Bさんから特許要件について説明されましたが意味が分かりませんでした。
 そんなAくんとBさんの会話の続きです。

Bさん: まず発明要件①「自然法則の利用」とは何かしら?
    自然法則なんて耳慣れない言葉よね。
    これは「自然界において経済的に見出される物理的・科学的・経済的・生物的な法則性を
    持つ原理や原則
」と説明されるんだけど、全然イメージが湧かないよね。
    反対から考えて、自然法則に当たらない場合をイメージする方が簡単かもしれないわ。
    経済学上の原則や、スポーツやゲームのルールなど、人が決めた取り決めは、
    自然界にあるルールとは言えないからこれに当たりません。
    それ以外のものはだいたい自然法則にあたると思っていいわ。
    なんとなくイメージつかめた?
Aくん: つまり、人為的な取り決め以外のものは自然法則を利用したものといえるってこと?
Bさん: もちろん例外はあるけどだいたいそうね。
Bさん: 次に発明要件②「技術的思想」とは何か、これは簡単に言うとアイディアのことよ。
     発明というのはアイディアであって、そのアイディアが具現化した物ではないの。
     穴あき包丁の例でいえば、「切ったものが包丁にくっつかないように刃に穴を空けよう」
     というアイディアに特許が成立するのであり、そのアイディアを具現化して作られた
     穴あき包丁自体に特許が成立するわけではないわ。
Aくん: これは分かりやすいな。
Bさん: 発明要件③「創作」であるというのは、ここでは発明となるアイディアが、発明される
    以前には存在していなかったということ
を意味するわ。
    画期的なことを「発見」したとしても、それは発見される以前から事象としては存在して
    いたのだから、単なる発見は原則として発明になりません。 あの有名なニュートンの
    重力発見も、すばらしい「発見」ではあっても「発明」ではないの。
Aくん: 「発明」と「発見」のちがいか。今まであまり考えたことなかったな。
Bさん: 最後に発明要件④「高度性」なんだけど、これは後で説明する「進歩性」でまとめて
    判断されているから、あまり気にしないでおきましょう。
    ざっくりいえば、発明っていうのは人為的な取り決め以外の原則を利用した、
    今までには存在しなかった何らかの物や方法のアイディアってことね。
    どう?A君のアイディア、発明って言えそう?
Aくん: うん、たぶん大丈夫。発明って言えそうだな。
Bさん: じゃあ次回、「発明」以外の特許要件について説明していきましょうか。

知的財産に関するご質問4 特許要件「産業上の利用可能性」とは何か?

特許要件①「産業上の利用可能性」とは何か?


 

<事案>
 青年実業家のAくんは特許について大学同期で現在弁護士のBさんに話を聞きました。
 Bさんから特許要件について説明されましたが意味が分かりませんでしたが、発明については分かってきました。
 そんなAくんとBさんの会話の続きです。

Bさん: 前回までの話で、A君のアイディアが発明といえそうってことは分かったわね。
    では特許を取得するための他の要件も検討しましょう。
     もう一度言うけど、特許を取得するための要件は
     ①発明であること
     ②産業上の利用可能性があること
     ③新規性があること
     ④進歩性があること 

    産業上の利用可能性について。
    産業は工業に限らず、鉱業、農業、水産業、林業、牧畜業なども広く含むわ。
    化学物質や生物関連発明の場合はこの要件が問題になることはあるけど、それ以外の、
    物の発明なんかはまったくなんの役にも立たないってことが考えにくいでしょう?
    だから、産業上の利用可能性のない発明というのはほとんど想定できないの。
    ただし、医療関連発明は別よ。
Aくん: どうして、それこそすごく利用可能性がありそうなのにな。
Bさん: 特許庁の出願実務では、人間を手術・治療・診断する方法には産業上の利用可能性が
    ないとされているの。
    これは医療の現場で医師が治療行為を行うにあたって、自分の行為が特許侵害をしてない
    かを気にして適切な治療ができなくなることを防止するためと考えられているわ。
Aくん: 確かに、患者としては常に最善の治療をしてほしいよな。運び込まれた病院でこの治療法
    の特許は取ってないからできませんなんて言われたら困るよ。
Bさん: といっても医薬や医療機器についての物の発明や製造方法の発明なんかは特許が成立
    するので、医療関連発明もすべてが産業上の利用可能性が無いわけじゃないわ。
    A君の発明が医療関連発明なら、この辺りは調べてみる必要があるわよ。
Aくん: 僕の発明は医療関連発明じゃないし、物の発明だから問題なさそうだ。
Bさん: では次回、次の要件について説明するわ。

知的財産に関するご質問5 特許要件②「新規性」とは何か?

特許要件②「新規性」とは何か?


 

<事案>  
 青年実業家のAくんは特許について大学同期で現在弁護士のBさんに話を聞きました。
 Bさんから特許要件について説明されましたが意味が分かりませんでしたが、だんだん分かってきました。
 そんなAくんとBさんの会話の続きです。

Bさん: 今回説明する新規性は特許要件の中でも重要なものよ。
     新規性は発明新しい知見であることを意味するんだけど、
     これは法律で新規性がないとされる場合が定められていて、
     これに当たらなければ新規性があると定められているの。  
     新規性喪失事由は、特許出願前に
      ①公然知られた発明
      ②公然実施された
発明
      ③刊行物に記載された
発明
     以上の3つに該当すると、新規性が無くなっちゃうの。
Aくん: ③は分かるけど…①と②は漠然としててイメージわかないな。
Bさん: ①の公然知られたっていうのは
      「発明者のために発明の内容を秘密にする義務を負わない人が
      発明の内容を現実に知ったこと

     というのよ。
     守秘義務を持たない人が一人でも知ったらその時点でアウトってこと。
     逆に言えば守秘義務を持つ人ならば何人知ってても新規性が喪失したこと
     にはならないわ。
     研究室で同じ発明について研究してるチームなんかは、お互いに守秘義務があるから
     チームメイトが何人知ってても新規性は失われないってこと。
     ②の公然実施は「発明者のために発明の内容を秘密にする義務を負わない人が
     発明内容を知ることができる状態で実施行為(生産・使用・譲渡など)を行うこと

     を言うわ。
     実施行為が何かは法律(特許法2条3項)に書いてあるからチェックしてね。
Aくん: なるほどね、僕が出願する日よりも前の日に誰か守秘義務のない人が発明内容を知った
     り、知ることができる形で実施しなければいいわけだ。
Bさん: 正確には「出願する時」よりも前ね。新規性の判断は日単位じゃなくて出願時でされる
     から、例えば16時に出願しても、その日の12時に新規性喪失事由があったならば、
     その発明には新規性が無いって判断されちゃうのよ。
Aくん: それは怖いな。新規性喪失しちゃったらもう絶対特許は取れないのか?
     うっかり新規性喪失なんてことよくありそうな話だけど…。
Bさん: もちろんそんなときの救済手段として新規性喪失の例外規定(特許法30条)があるわ。
     うっかり新規性喪失しちゃった!って場合はこれをチェックしてみてね。

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