メニューを閉じる

労災による損害賠償請求につき、賠償請求額を25%以上減額した事例

<事案の概要>

 会社を退社した従業員が、数年前の勤務中の労働災害によって、しびれが残る、握力が低下した等と主張し、後遺症が残っている、労災隠しをされて補償が受けられなかったと、会社に対して賠償の要求をしてきた、というご相談を受けました。
 事情を聞くと、確かに粉砕骨折等の重傷を負ったことは間違いが無いようでした。 また、労働災害が発生したときに、会社が労働者に対して、常に賠償義務を負うというわけではないのですが、ご相談の件については、他の従業員のミスが原因となって発生しており、最終的には使用者が賠償義務を負担するリスクが高い案件と判断できました。
 そこで、当事務所の弁護士が交渉をすることでご依頼を受けました。
 当事務所の弁護士が、当該従業員に連絡をし、弁護士事務所で面談をしたところ、元従業員は、元従業員は、500万円以上の賠償を請求してきました。そこで、あらためて現在の症状や、診断書の内容等を確認したところ、想定される後遺症の等級は、14級程度と考えられました。
 当事務所は、交通事故に関する後遺症の案件も多数取り扱っていることから、本件による賠償額は、元従業員の主張する請求額には至らないと判断しました。
 そこで、過去の裁判例等も踏まえて、請求が過大であることを説得し、対案を提案しました。その後、元従業員は、当方の対案からさらに賠償額を引き上げる交渉を持ちかけてきましたが、これを全て断り、最終的には当方が提案した金額で和解を成立させることができました。

 

<解決のポイント>

  • ①労働災害については、そもそも使用者が責任を負うのか否かの見極めが重要です。
  • ②責任を負うケースにおいては、最大どの程度のリスクがあるのか、賠償額を適正に見極める必要があります。
  • ③賠償額を評価するにあたっては、想定される後遺症の等級や程度を判断する必要がありますが、そのためには、後遺症に関する賠償額の深い知識が必要となります。 

 

 関連サービス

 ‣  従業員トラブル(労務問題)

 

 関連する解決事例

 ‣  労基署による調査から関与したことで、パワハラ・長時間労働等による精神疾患になったとの主張を排斥した事例

 ‣  解雇した問題従業員から残業代・解雇無効訴訟を提起されたが、事前対策をしていたため会社の支払額をほぼ0円にできた事例

 ‣  解雇した元従業員からの請求を、労働審判手続において相当程度減額して和解した事例

 ‣ 元従業員(解雇済)による労働審判(地位確認・残業代等請求)で、円満退職及び請求額の減額(25%)を実現した事例

 ‣ 元従業員の所属する労働組合との団体交渉(未払残業代や職場復帰など)において、請求を一部撤回させた事例

 

 当事務所の解決事例一覧

 ‣  こちら をご覧ください。