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取引基本契約書が締結されてない相手企業に対し、将来取引にかかる期待権侵害に基づく損害賠償訴訟で一定額を回収した事例

 <事案の概要>

企業 某県内所在のA企業は,B企業から発注をうけ,商品を販売する事業を行っていました。
 A企業とB企業との間では,覚書のタイトルで今後の発注を約束する内容の書面を取り交わし,取引を行ってきました。しかし,取引開始から数年後,B企業は突如,上記発注を停止してきました。A企業としてはB企業からの発注がなく売上が下がってしまったという事案です。

 

 <解決に至るまで>

 当事務所介入前に,A企業は,B企業と交渉を行い,取引の再開を試みましたが,B企業の態度が変わることはありませんでした。

 そこで,当事務所弁護士が,覚書を作成していること,A企業及びB企業の取引開始に至る経緯などから,B企業からの発注がなくなることについては,法的にA企業の期待権を侵害するとして,B企業に対し損害賠償請求を行いました。

 B企業にも代理人が就いたため代理人間で交渉を行ないましたが,歩み寄りは難しく,最終的に訴訟提起を行いました。


 とろこで,一般に,法的紛争が発生した場合,企業にとって,訴訟は避けるべき手段です。なぜなら,時間的コスト(約1年~2年)がかかるからです。

 しかし,本件は,法的に複雑かつ難しい論点がからむこと,A企業として上記期待は法的保護に値すること,商取引(ビジネス)において突如として発注を停止することがビジネスの慣習として法的に許容されるわけではないこと,など各点で,裁判所に法的判断を仰ぐことに意味があったため,訴訟提起したという経緯があります。


 訴訟では,双方が互いの法的主張を繰り返しました。訴訟提起後,約1年が経過するころ,裁判所から和解の提案がなされました。双方が検討した結果,最終的に,B企業がA企業に対し100万円を支払う内容の和解が成立しました。いわゆる勝訴的和解といわれるものです。

 

 <解決のポイント>

 ‣  企業間の法的紛争においては,契約書が極めて重要になってくるところ,かかる契約書がないケースにおいても,一定の結果を得る内容で解決できたこと。

 ‣  継続的契約や継続的取引がからむ事案において,企業の行為が,ビジネスの範囲内なのか,その範囲を逸脱し法的に「違法」とされるのかは法的に複雑かつ難しい論点であるところ,かかる論点において勝訴的和解を勝ち取ることができたこと。


参考ページ
 

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