残業代を請求された(労働審判)が、請求額の50%以下で和解した事例
事案の概要
依頼会社は運送業者です。従業員の1人から退職した直後に残業代の支払いを請求されてしまいました。
当初は、依頼会社で対応していましたが、労働審判を申し立てられたため、当事務所にご相談にお越しになりました。
解決に至るまで
問題となったのは労働時間です。相手方は、自己申告した作業日報のうち退職前に写しを取っていた月の労働時間を基準として、相手方が勤務していた全期間の労働時間を推定計算していました。
しかし、相手方が基準とした月は特に労働時間の長い月であったため、各月の作業日報記載の労働時間を基準としたとしても過剰な請求となっていました。そこで、まずは各月の作業日報記載の労働時間を基準に残業代の上限を設定するように主張しました。
また、作業日報は、相手方が自己申告したものであるため、休憩時間の申告漏れや早出残業の必要性等について疑わしい部分がありました。そのため、労働時間についても細かく争いました(なお、相手方運転車両の一部にはタコメーターは設置されていませんでした。)。
最終的に、依頼会社の現実的な資力にも配慮して、第1回目の審判期日において、請求額の半額以下の金額を支払う内容で和解が成立しました。
解決のポイント
‣ 労働審判は、第1回目の審判期日が重要であるところ、第1回期日までに細かく反論を準備することにより、最終的に請求額を大幅に減額することができたこと
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