企業間取引の契約書レビューを行い,条項の修正などを行った事例
<事案の概要>
某県内所在のA企業は,B企業から委託を受け,ある製品に対する加工を施し,B企業の取引先に納品するといった取引を行っていました。
今般,B企業から,取引基本契約書の締結を依頼され,送付する契約書に署名捺印をお願いされました。A企業はこれまでB企業との取引を行っていたので,直ちに署名捺印し,契約書を返送しようとしていましたが,せっかくの機会なので,一度,弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼しようと考え,当事務所にご相談にみえました。
<解決に至るまで>
当事務所で契約書のリーガルチェックのご依頼を受け,B企業から送付された契約書を確認したところ,A企業にとって不利な条項が多数散見されました。
A企業は,製品を加工し,納品する義務を負いますので,契約の性質は,請負契約と売買契約の混合したものになってきます。そこで,A企業にとって重要となる加工賃,納品の方法,納期,製品にかかる瑕疵担保責任,危険負担の問題,損害賠償条項などを重点的にチェックしました。すると,ほとんどの条項が,曖昧不明瞭,そもそも規定がない,A企業にとって民法・商法よりも不利な条項になっている状況でした。
そこで,当事務所弁護士が,各条項を細かく指摘し,
当該条項がなぜ不利なのか,
このまま契約締結した場合の法的リスク・経済的リスクは何か,
では,どのような文言に修正すべきなのか,
B企業はその修正を受け入れるのか,受け入れない場合は何をすべきか,
など契約書の文言だけでなく,その先の交渉方法まで指摘させていただき,A企業にフィードバックしました。
後日,A企業が,当事務所のリーガルチェックを踏まえた契約書ドラフトをB企業に送付したところ,A企業にとって不利な内容だった条項は修正を受け入れてくれ,むしろ,今回のリーガルチェックはB企業にとっても大変参考になりますとの回答までいただいたようです。なお,B企業はいわゆる大企業です。
<解決のポイント>
‣ 企業間の契約書締結交渉は,「契約書を締結すればよい」ということではなく,きちんと内容を法的にチェックする必要があります。弁護士にリーガルチェックを依頼することで,貴社にとってどのような不利益があるか,が明確になります。
‣ 契約交渉は,貴社における全取引においての相手企業の位置付け,重要性,これまでの取引経緯,今後の取引継続性など過去,現在,未来のすべてを総合的に判断して行う必要がありますので,貴社の業態・ビジネスを把握できるよう弁護士との顧問契約をお勧めいたします。
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