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労働審判手続について教えてください。

労働審判手続とはなんですか。

労働審判手続とは、労働契約の存否その他の労働契約に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争を対象とした労働者と使用者の権利紛争の解決を図るための手続です。

具体的には、個別の労働者と使用者との間の解雇、雇止め、賃金、懲戒処分などの効力についての紛争が対象となります。

この手続の特徴は、裁判所で行われますが、訴訟とは異なり、原則として3回以内の期日において審理を終結させる迅速な手続である点にあります。

 

元従業員から、残業代請求の労働審判を申し立てられました。第1回期日が約1か月後と指定されており、期日の1週間前に答弁書を提出するよう求められました。このような緊急の場合でも弁護士に相談することはできるのでしょうか。

もちろんご相談可能です。むしろ、即座にご相談することをお勧め致します。

労働者側から労働審判を申し立てられた場合、使用者側である会社としては、短期間のうちに答弁書を準備し、第1回期日に臨まなければなりません。

そして、答弁書には、会社側の主張を法的に理由づける具体的事実、予想される争点に関して適格かつ重要な事実を記載する必要があります。

また、労働審判は原則として3回以内の期日で審理を終結する制度であることから、第1回期日に提出する答弁書や期日での口頭での主張、反論などによって、事件の大勢が決着することが通常です。

そのため、第1回期日までの準備が事件の勝敗を決するといっても過言ではないのです。

そこで、元労働者から労働審判を申立てられた場合、速やかに法律の専門家である弁護士に相談し、第1回期日までの準備をすることが重要になってくるのです。

労働者から労働審判を申し立てられたなど会社側がとるべき対応策にお悩みの場合、当事務所にお気軽にご相談下さい。

 

裁判所から労働審判の申立書が届きました。元従業員が申立人のようです。審判期日の呼び出しを受けていますが、この日は出頭しないといけないのでしょうか。事前に何か準備をしなければならないのでしょうか。

まず、労働審判を申し立てられた相手方には、審判期日への出頭義務が課されており、これに違反した場合には5万円以下の過料の制裁が科されることになっています。

また、相手方は、申立書に対する反論を記載した答弁書を、通常第1回期日の7日前~10日前までに提出しなければなりません。

なお、指定された日に関係者が出頭することがどうしても困難な場合、別の日程に調整してもらうことができる場合もあります。

そして、通常、第1回期日では、事実関係や双方の主張を確認した上で、調停を試みられますが、相手方が第1回期日に出頭せず、答弁書も提出しなかったような場合(あるいは答弁書の記載が十分ではない場合)、労働審判委員会が、申立人の主張立証に基づいて審判を下せるとの判断に至れば、第1回期日で審判が言い渡される可能性もあります(この点が、合意が形成できない場合には手続が打ち切られてしまう、労働局によるあっせん手続などの紛争解決手段とは異なるところです)。

この審判は、2週間以内に異議が出なければ、通常訴訟における確定判決と同様の効力を持つことになります。

 したがって、労働審判を申し立てられた相手方は、第1回期日に向けて十分な準備を行った上で、期日に臨まなければなりません。早めの対応が必要になりますので、労働審判を申し立てられたような場合には、お早めにご相談ください。